三度の癌を乗り越えて(WEさん)

 

三度のガンを乗り越えて

(多発性肝転移からの脱出)

基礎科前期(20201014日~2021324日)

 

1.       病歴

2001年 左乳がん

2007年 右乳がん

2019年 多発性肝転移

 

1度目は肉腫で手術、2度目はリンパ節転移で手術後、抗がん剤治療をした後、5年間のホルモン治療をしました。3度目は手術不可能により、現在抗がん剤治療中です。

 

2.       教室に通うまで

      1度目、2度目のがん

私の家は自営業で食品の製造業をしております。自宅1階の工場で夜中から主人と仕事をしております。同居していた義父の痴ほうが進み、夜の徘徊で帰れなくなったり、他所の花を摘んできたり、火遊びをしてボヤ騒ぎを起こしたりして、介護の限界で病院のお世話になることになったとき、1度目のがんになりまし※1子供も小さく絶望的でしたが、また日常生活に戻り、忙しさの中で2度目の乳がんに罹患しました。1度目の後は食事療法などを一切せず、今まで通りでした。2度目は転移もしていたので、命の限りに恐怖心を感じ、初めて自分の身体を真剣に考えました。2度目の後、様々な講演会や勉強会で、マクロビオティック、玄米菜食、ゲルリン療法など多くを学びました。その中で玄米を中心とした食事を5年間徹底しました。同じがん友と情報交換したり、湯治に行ったり、お互いに励まし合いながら、家族にも支えられ、必死の5年間でした。

※1恭子注:癌の原因の一つは、ストレスでもあります。

      2度目のがんから13年目での遠隔転移

 2度目のがんから5年が過ぎ、徹底的に励んでいた玄米菜食もだんだん緩み、外食も増え、家族と同じものを食べたり、時にはお酒も飲んだりするようになりました。仕事も相変わらず忙しく、その上でジムにて筋トレやエクササイズ、水泳にものめりこむ様になっていきました。13年目の時、夏に両目の白内障の手術をして2か月程汗をかかないよう自宅待機をしていたら太ってしまった事がきっかけで、9月から個人専属でのトレーナーをつけて肉体改造を行いました。食事は半断食のような内容で、1日に玄米1膳の少しのおかず位で、毎朝送られてくるメニューに従い、夜帰るまでトレーニングしていました。目に見えて変化していく体に最初は夢中になりましたが、段々と負担になり、ストレスを感じるようになったその年の12月に肝臓に転移がわかりました。岡田恭子先生の教えの自分の器を超えていたのです。※2だから悲鳴をあげた身体が私に警告してくれたのでしょう。自分の身体の声を無視して愛情をかけず、食事も疎かにした罰があたったのです。

※2恭子注:癌になる方は、頑張り屋さんが多いです。
器を超えて、頑張ってしまう方が多いのです。

      先生の本との出会い

 この出来事は改めて本当に大事なことは何なのかを教えてくれました。私はいつも自分の事しか考えず、主人への思いやりが足りませんでした。仕事はちゃんとしているのだからと、気負っていました。いつも黙って私のわがままに付き合ってくれて、文句も言わず何でも許してくれました。娘夫婦も心底心配してくれていたのに、完璧主義で疲れを知らない私は、自分がスーパーマンの様に思っていました。絶望と、今度こそだめかもしれないという恐怖の中で考えたのは、まだまだ自分にできる事があるはず!今の自分にできるベストを尽くし、後悔しない時間を過ごしていく事でした。そのために、まずもう1度食事を見直して取り組もうと真っ先に考えました。そんな時に恭子先生の本「食べ物を変えると、からだも、運命も変わります」河出書房に出会いました。じっくり読めば読むほど、1ページ1ページに重みがあり、共鳴して力が湧いてきました。本のお写真の笑顔に惹かれ、迷わず入会のお連絡をしました。先生は、がんの方も多く通われていると教えて下さり、こんな私でも通うことができると安堵しました。本当に感謝しております。ありがとうございました。

 

3.       教室で学んだこと

 実際にうかがうと、ご自宅での授業に安らぎを覚えました。先生の日頃のご様子がわかり、信用できる方だと安堵しました。最初はとても緊張して先生がおっしゃる事も、自分が言っている事もよくわからない程でした。玄米菜食をしていた事もあり、先生から「あなたは排毒が終わっているから昭和30年代の食事でいいのよ」とアドバイスを頂きました。私の欠点は完璧主義で、人の助言を受け入れず頑固で自分主義。自分が正しいと思った事をやり通すという所です。4回目の授業の時に先生から「自分のシナリオの中で生きていく癖がある」、「自分のレール上でしか物事を考えない癖がある」とご指摘を受けました。まさしくその通りです。疑いつつやってみる。素直な人は病気も治っていく。真実を見て自分のもっている運命を花開かせる、という事も教えていただきました。私にとってこの上ない、大事な講義でした。その他にもたくさんある中で、私の心の盾となった事を書かせていただきます。

 

ü  人事をつくして天命を待つ

人間の力や努力では、思い通りにならないけれど、行動は思い通りになる。よりよくは必ずなる。大きなもの=天命にまかせる=がんなんか気にならない=心が解放=免疫力が上がる。

ü  心の持ち方について

何でもほめてもらおうとするのは間違い。今日できる範囲内の器でやっていく。自分の今の能力で出来る人間関係でいい。落ち込まない。とにもかくにも害になる事はやめて、身体の負担を減らしていく。健康な食事をしてがんに打ち勝つ。自分の器を超える人は遠ざける。目の前の事に一生懸命に取り組み、反省はいいが自己否定はしない。心が流れている時が一番幸せである。

ü  善:悪 = 6:4

これは私の運命ではなくて相手の運命なんだな、ありのままの自分でいい。自分のやるべき事をしたのであれば、あとは天にお任せ。相手がこちらをどう思うかも相手の運命。他人の言葉にのまれない事が、自分の心を穏やかにする。大きくものを見る。救うのは自分の心。相手は相手。自分は自分。それぞれ皆運命が違う。かかわらない事。自分という存在への愛着と自信。唯一無二という自分が、自分を守ってくれる。人からどう思われようが気にしない。天から見て、恥じないように、悔いがないように生きればいい。

 

これらの言葉の数々は今の私にとってどんなに勇気をもらい、生きる糧となったか、感謝もしきれない程です。

 

4.       食事記録

ü  教室に通う前の食事

朝食(7:00~)

玄米雑穀ご飯、みそ汁、目玉焼き、キャベツ、人参ジュース(人参、レモン、小松菜、リンゴ)、手作り黒焼玄米茶(玄米、ハト麦、びわ茶、マコモ茶、どくだみ)、梅生番茶

 

昼食(12:00~)

さつまいも小1/2本、バナナ小1

 

夕食(18:00~)

玄米雑穀ご飯、みそ汁、魚、煮物、鶏肉や豚しゃぶなどをほんの少し(ごくたまに)

 

ü  教室に通いだしてから

朝食(7:00~)

玄米雑穀ご飯(玄米、黒豆、ハト麦、すりごま、塩昆布、大豆、アサリ、干しエビ、干ししじみ、もち米玄米、ちりめんじゃこ、梅干)、梅生番茶、手作り黒焼玄米茶(玄米、びわ茶、マコモ茶、どくだみ)、けんちん汁またはみそ汁(とろろ昆布、わかめ、豆腐、メカブ、ふのり、ネギ)、手作り人参ジュース、温サラダ(キャベツ、小松菜など)、納豆

 

昼食(12:00~)

さつまいも少々、バナナ少々、たんぽぽコーヒー、ジェイソンティー、煎じ漢方、アーモンド

 

夕食(18:00~)

玄米雑穀ご飯、けんちん汁またはみそ汁、魚(アジ、メザシ、鮭など)、アボカドサラダ、黒豆、小豆カボチャ、きんぴら、ひじきなど、ハッピーやマクロビオティックの中から

 

我が家では夕食を主人が、娘や孫たちの分も作ってくれていて、私の分は取り分けて私用に作ってくれています。もちろん、私は自分用にも毎日作っています。そのため、ついおかず食べが多くなってしまう所が反省点です。現在抗がん剤治療の副作用で週3,4日は一日中続く下痢、腹痛があります。そんなときは玄米クリームや玄米おかゆ、けんちん汁またはみそ汁が主体の食事となります。調子のいい時は、朝仕事が終わった後に、バナナ便が13回位出ます。免疫力を落とさぬよう、調子のいい時は、玄米雑穀ご飯もおわかりして、しっかり食べるようにしています。

 

5.       今後の課題

ü  100回噛む

仕事の合間に朝食をとる必要があるため、急いで食事をする習慣があり、早食いでした。どんなに良い食事でも何にもなりません。一口で4回数える方法を教わったので、実践していきたいです。

ü  食べ過ぎない

おかず食べが多いので、肝臓への負担になりかねません。腹7分目位を目安にします。

ü  規則正しい生活リズムをとる

仕事が朝2時から始まることもあるため、早く寝るようにします。具体的には20時には床に入り、20時半には就寝します。

 

6.       今後の目標

ü  重荷を背負うな、責任を果たせよ」

私にとっての重荷とは、1人で仕事や家事などを抱え込んで負担になっていた。責任→事実を見極め、できない事は冷静に助けを求める。自分を労り、身体を休ませる。


※恭子注:この方は、何でもできてしまう優秀な方なので、自分で全部やってしまう習慣を持っていました。
自分の身体のためだけでなく、人を頼る、ことも、人に任せることも、人の能力開発のために相手にとっても良い事なのです。

 

ü  玄米クリームの威力。困っている人、周りの人を笑顔に。

ご近所の方で、がん末期で自宅療養されており、食も細くかなりやせてしまっている方がいます。教室で学んだ、玄米クリームとゴマ豆腐を作り差し上げた所、インスタントと違い、どちらも濃厚で栄養価も高く大変喜んでいただけました。私もとても嬉しく、玄米クリームの底力を知りました。素晴らしいです。私はお菓子やケーキ作りが幼少のころから大好きで、家族の誕生日や記念日などにサプライズで喜んでもらうことも生きがいです。今後も私にできる事があれば、困っている人の力になれたらと願っています。うれしそうな笑顔をみるのが、大好きです。



※恭子注:情けは人の為ならず、ご自分の健康に帰ってきますよ。
ただ、これも、親切の押し付けにならず、また、ご自分の器を超えない範囲で、精一杯人のお役に立つように。

 

7.       今後の生き方

 日々恐怖感、絶望感、やるせなさで眠れぬ夜も多々ありますが、朝目覚めて、元気で仕事ができる事!元気に変わりなく日常生活ができる事に感謝の気持ちでいっぱいです。今の生きがいは、ジムで大好きなエアロビクスを踊ること!無心で泳ぐ事です。青い空を見ているだけで、喜びが膨らんできます。もう20年近くがんとの共存生活ですが、自分だけが辛かった訳ではない。夫や子供たちだって、傍で見ている心労が大きかった事でしょう。菩提寺で毎朝私のためにご祈祷してくださっているお上人様が、毎月1回心温まるご説法をして下さっています。毎日自分の強い守護霊さまを感じています。栄養あるものを黙って差し入れてくれる友人たち。私の周囲の人の愛着に感謝しながら、誠実に素直に目の前にある日々の生活をコツコツすること。夫や娘夫婦からの無償の愛、可愛い孫たちの笑顔に囲まれている今の生活に心から感謝しながら少しでも、家族の役に立ち、一日一日を大事に生きていくこと。できることはするけど、できないことはごめんなさい。※3
周りに助けを求めてやってもらう。協力してもらう。普段の何気ない会話も、一つ一つ大切にして自分の事ばかりでなく、相手の話もよく聞く。自分の中に悪があってもいい。反省にも自己否定しない、でも思いやりも大切。もっと自分の心を開放して、少し甘えてみよう、力を抜こう、完璧じゃなくていい。これからは少しのんびり、ゆったり、心地よい風が流れていくように、それを微笑んで眺めていこう。人は人、自分は自分。私だけの花を咲かせていこう。大好きなコスモスの様に、人に幸せになってもらえる様に。


※3恭子注:「食べ物を変えると、からだも、運命も変わります」河出書房 87ページ

には、楽に、元気になる考え方(生き方)が書いてあります。

その一つ…できることは精いっぱい、できないことはごめんなさい、
というのがあります。
癌になる方、病気になる方は、この中の、できないことはごめんなさい、
が言えない方が多いのです。
この方は、優秀でなんでも自分でやれてしまうので、頑張ってやってしまいます。
でも、ひとに(特に家族に)頼る、まかせる、というのも、相手の能力を伸ばす、という意味でも大事なことです。
自分の器を超えないと同時に、人の能力を伸ばす、ということにもなるのです。
おおらかにおおらかに大きくものを見ましょう。


 

8.       最後に

 今回私の気持ちの変化や、教室での学びを通して私のようながんの方、ステージ4の方などが読んで下さり、少しでもお役に立つことができれば幸いです。現在腫瘍が見えなくなり、寛解状態が1年近く続いていますが、1日を1か月のつもりで、大事に心をこめて過ごしていきたいと思います。挫けそうになったら、またこのレポートを読み返して今この気持ちを大切にしていきたいと思います。最初は負担に感じていたこのレポート作成も、書いてみて本当に良かったです。自分の気持ちを、順を追って整理する事によって精神的に落ち着き、明日への活力になりました。このような機会を与えてくださった恭子先生には心より感謝しております。まだまだ学ぶべきことはたくさんあります。後期の授業も楽しみにしております。至らない点も多々ありますが、今後もご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

 


 恭子から一言
 

上に書いたように、病気になる方は、頑張り屋さんが多いです。

自分の器を超えない、ということが分かったこの方は、すばらしい改革をしました。

この先、ずっと、健康でいかれるでしょう。